これから電子書籍に切り替えようかなというときに心配なのが、使用サイトの倒産リスクです。
倒産までは行かなくても、企業が電子書籍事業から撤退することは十分考えられます。
サービスが終了すれば買い集めた電子書籍もすべてパー。
紙の本にはないリスクです。
大金をはたいて集めた電子書籍が全部読めなくなったら…と思うと切り替えも躊躇してしまいますよね。
そこで今回は
- 電子書籍サイトが潰れるとどうなるのか?
- リスク回避の方法は?
- 潰れなさそうなサイトはどこなのか?
- 電子書籍を自分で保存する方法。
について解説します。
電子書籍は魅力的だけど消滅が怖い、というあなたはぜひ参考にしてくださいね。
電子書籍サイトが潰れたらどうなる?
電子書籍サイトが倒産またはサービス終了した場合は、たとえ購入した本でも読めなくなってしまいます。
そもそも電子書籍は、紙の本のように所有できる物ではありません。
販売サイトの規約を見ても、お金を払った人には閲覧する権利(使用権)のみ許される旨が記載されています。
私たちに所有権はないんですよね。
サイトに保存してある書籍データを見に行く権利だけ買った形。
イメージとしては持ち出し不可の図書館や漫画喫茶に近いです。
なので潰れてしまえば中には入れず本も読めなくなります。
ダウンロードできる電子書籍も同じ
電子書籍サイトには書籍データをダウンロードできるところもあります。
ダウンロードしたデータは端末に入れることができます。
このデータはオフラインでも読めるので、倒産後でも閲覧できそうな気がしますよね?
しかし、ダウンロードしたデータは複製防止の為に特殊な形式になっています。
ダウンロードした端末から別端末には移動できないので、古くなった機械で見続けなければなりません。
また、データは専用のビューアーでしか見ることができません。
電子書籍サービスが終了すればビューアーのメンテナンスもなくなります。
古くなったビューアーが使えなくなればダウンロードデータも読めなくなります。
例えるならウインドウズ95専用ソフトが現在使えないのと同じです。
なのでダウンロードできるサイトだから大丈夫とはならないのです。
過去に潰れた電子書籍
そうは言っても電子書籍サイトが潰れるなんて滅多にないでしょ、と思うかもしれませんがそうでもありません。
フロッピーやCD時代のマイナー時代を省くと、電子書籍が盛んになったのはiPadが発売された2010年以降から。
この十年ちょっとの間だけでも、電子書籍から撤退した企業はいくつもあります。
- Raboo(楽天)2013年
- エルパカBOOKS(ローソン)2014年
- TSUTAYA.com eBOOKs(ツタヤ)2014年
- 地球書店(NTTソルマーレ)2014年
- ヤマダイーブック(ヤマダ電機)2014年
- MFラノベコミック(KADOKAWA)2015年
- 学研電子ストア(学研)2015年
- BookGate(廣済堂)2015年
- BooksV(富士通)2015年
- 本よみうり堂デジタル(読売新聞)2016年
- LISMO Book Store(KDDI)2016年
- ポンパレeブックストア(リクルート)2018年
- オーム社電子書籍ストア(オーム社)2018年
- Digital e-hon(トーハン)2018年
- Microsoft Store(マイクロソフト)2019年
- ゼロコミ(Nagisa)2023年
※数字はサービス終了年。
※レンタルや無料の電子書籍サービスは除く。
主な電子書籍サービスだけピックアップしてもこの数です。
誰もが知っている大きな企業でも結構サービス終了しているんですよね。
なので有名企業なら安心というわけではありません。
サービス終了後の対応
サービス終了が決まった後の対応は企業によって違います。
他サイトで読めるようになる
購入した電子書籍の記録を別サイトに引き継ぎ。
そちらで引き続き読めるというアフターケアです。
ユーザーとしては比較的不満の出にくい対応と言えます。
■他サイト移行したサービス
TSUTAYA.com eBOOKs・MFラノベコミック・学研電子ストア・ポンパレeブックストア
ポイント還元
ユーザーにポイントで還元する対応です。
ただし、いくら還元されるかは企業次第。
購入本の全額・半額・ポイント残高のみとかなり差があります。
金額によっては不満が出そうな対応です。
■ポイント返還したサービス
Raboo・エルパカBOOKS・地球書店・BooksV・Digital e-hon
フリーでそのまま読める
電子書籍サイトには、コピー制限のかかっていないDRMフリーのデータをダウンロードできるところもあります。
こういうサイトならサービス終了後もダウンロードしておいたデータを自由に読むことができますね。
ただ現状DRMフリーを使っている電子書籍サイトはきわめて少数派です。
■DRMフリーで終了したサービス
オーム社電子書籍ストア
対応なし
まったく対応なしで終了するサービスもあります。
一定期間まではダウンロード可能。
それ以降はダウンロードした端末でのみ読むことができます。
端末の故障やビューアーの不具合には対処できません。
ユーザーにとっては不満が残る対応で炎上したケースもあります。
■対応なし終了したサービス
ヤマダイーブック・BookGate・LISMO Book Store・本よみうり堂デジタル
アプリ内だけそのまま読める
「サービス終了までに購入作品をダウンロードしてください。そうすれば専用アプリに限り今後も読めます」
という対応をするサイトもあります。
- うっかりデータ消去
- 端末の故障によるデータ消去
- アプリのバージョンアップ
などには対応できませんが、新機種へのデータ移行ができるだけまだマシですかね。
■アプリ内だけ対応で終了したサービス
ゼロコミ
電子書籍消滅のリスクを回避するには?
大手サイトを選ぶ
一番のリスク回避は電子書籍事業から撤退しそうにない大手のサイトを選ぶことです。
じゃあどこが安全そうなのかというと…。
一番手はやはりKindle。
次いで大規模なのが楽天kobo、ebookJapanあたり。
企業としてでかいのがFOD、U-NEXT。
業種から撤退しなさそうなのがBookLive、honto、DMMなど。
とはいえ先に紹介したように大企業でも撤退するところはあります。
正直、絶対に大丈夫なサイトはありません。
複数サイトを掛け持ち
単独の電子書籍サービスだけ使っていると、万が一そこが潰れたときは手持ちが全滅となりダメージは深刻です。
購入先を複数に散らしておけば、全滅の憂き目は回避できます。
1つのサイトの本棚にズラッと並べるのは魅力的ですが、リスクを考えると複数サイトを掛け持ちするほうがいいと思います。
ダウンロードしておく
貴重な本だけはダウンロードしておくのも一つの手です。
ダウンロードした端末でしか読めないデメリットはありますが、完全に消滅するよりはマシでしょう。
電子書籍を永久に保存する方法
電子書籍を保存するにはスクショが一番確実です。
スクショした画像ならいつでも見ることができます。
現状の法律では、電子書籍をスクショすること自体は合法です。
Kindleの端末にはスクショ機能がありますし、楽天koboのサイトではスクショのやり方説明ページがあるくらいです。
ただし以下のような行為は違法、もしくはグレーになります。
たとえ法律には違反してなくても、サイトの規約を破れば使用禁止になることもありえます。
禁止サイトでのスクショはやめておいたほうがいいです。
まとめ
- 電子書籍サイトが潰れると本は読めなくなる。
- 大企業でも撤退はありえる。
- ダウンロード端末ならしばらくは読める。
- サービス終了時にアフターケアがあることも多い。
- 大手の複数サイト掛け持ちでリスク軽減。
- スクショ保存できるが禁止しているサイトもあるので要注意。
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